2007-10-02

UNRWAプロジェクトの今後の課題

今回のディスカッションで、今後UNRWAプロジェクトをどのように展開すべきか明確にみえました。

”評価の力を身につける” そして ”解釈、考察の力を身につける”ということです。

UNRWAプロジェクトでは、学習者中心型教育を促進する取り組みを行ってきました。そのツールとしてICTを利用した学習方法などを紹介してきたりしましたが、その評価があまりにも表面的だということに気づきました。

これまで、教師からのフィードバックということで、5回に分けてインタビュー調査をまとめ報告していたのですが、それがハムゼ自身に反映されていませんでした。

たとえば、ナスマやハイサムが学習者中心型の授業を実践したところ、「これまで生徒たちは完全に個人学習をおこなってきたため、8年生で突然協調学習を取り入れたところで混乱するばかりだった。グループでの役割を決めるにも問題が行ったし、民主主義的な決定ということをしたことがないので、けんかが起こったり。さらに、できる子だけが学習活動を独占し、それ以外の子どもたちは、参加できずにいたりする場面もありました。もちろん、声をだしたり、実際に触ったり見たりできるのは楽しくやっていましたが、それは当然で、学習目標を達成できたかというと疑問です。私自身協調学習や学習者中心型教育の重要性は認識し、是非実施していきたいと思いますが、そのためには、まずもっと低学年から他者と協調してやることを学ぶ必要があると思います」

この話をハムゼにしたところ、「ナスマやハイサムはうそをついている。それは事実ではない。学習者中心型教育は時間も労力も必要となるので、そういうことをいって、言い訳しているだけだ。教師野問題だ」といいます。

ハイサムとナスマはUNRWAの学校でももっとも熱心な先生で、ボランティアとしてプロジェクトでも重要な役割を果たしてくれている人たちです。なぜハムゼがこういう発言や考え方をしているかというと、これまでUNRWAが表面的な評価の方法に問題があると思いました。

実際、夏のプラグラムで理科のクラブを実施したのですが、その評価さえもハムゼと私の間でずいぶん評価に乖離がありました。日本人が観察し評価したところ、目的にもまったく到達せず、適応した方法はいい加減で、コンセプトも分からないままに、単に生徒にやらせているだけでした。ところが、ハムゼは、「生徒は喜んでいた、あのクラブはよかった」と主張します。生徒が喜べばいいのか、生徒が楽しいといえば成功なのか。

まだまだ議論し、しっかりつめていかなければいけないところがあると思いました。そして同時に今後UNRWAプロジェクトをどのように展開すべきかハムゼとのディスカッションの中で明確にみえてきたことはよかったと思います。


生徒が楽しそうにしている、生徒が喜んでいる、それがすべて評価ではないし、一部の生徒にインタビューして「すごくよかったです」という言葉を完全に信じて、全体をみていない。妥当性も有効性もないデータのとりかたである。まずはそこからしっかり改善していかんければいけないと思った。

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