2007-10-02

美術 没頭(FLOW)と教育


3時間目は、美術の授業を2つ見学しました。
1つは写生、もう一つは陶器づくりでした。
どちらの生徒も真剣に取り組み、他の生徒の様子もみながら自分の作品に取り掛かっていました。
ハムゼも以前滋賀県で陶器作りを体験したので、陶器作りのクラスに大変興味を示していました。

3時間目の後半は、美術の授業での生徒の学習態度についてハムゼとディスカッションしました。
美術の時間では、生徒たちは活動に一生懸命に取り組んでいる。このように人がある活動に”没頭”する状態をチクセントミハイは、FLOWという言葉を使って説明しています。

英国では近年創造教育が推進され、新しいものを作り出す楽しさや喜びからFLOWを促進し、それを学習の中に組み込むといったこともしています。要するに、ARTを他の科目と切り離して考えるのではなく、科目の中にARTの要素をいれ、学習の目的を”創造性”とし、学習活動を展開していくということです。創造性(Creativity)を育成するということは、もちろん批判的思考、つまり高度思考力が必要となります。ARTがもつ様々な側面、FLOW、楽しさ、高度思考力を生かした学習展開についてハムゼとディスカッションしました。

これまで、社会、理科といった主要科目と総合的学習や表現活動、選択科目といったようにいろんなタイプの授業をみてきましたが、「UNRWAでは、こういうのは無理だなぁ」ということをたびたび話していましたがその重要性にについては、しっかり認識しているので、それぞれを別物として捉えるのではなく、創造学習の一貫として主要科目の中にも表現活動やARTの要素をいれた活動を推進できるようなモデルや方法を提案できるようにしていきたいです。

ところで、ハムゼがその件でUNRWAの問題点を指摘していたのですが、スーパーバイザー同士でも横のつながりや協力体制が無いのに、現場の先生に他の科目の先生と協力してやるということを進めるのはすごく難しいということです。たとえば、美術の先生と社会の先生が一緒になって何かをするとき、その活動の責任をどのスーパーバイザーがとるのか。責任はどちらもとらないし、うまくいけばその成果の取り合いになる。一緒に協力するという体制ができていないので、まずはそこからなにか働きかけをしないといけないといっていました。

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