2007-10-01

授業見学(慶應義塾湘南藤沢中・高等部)3日目


家庭科(Home economy)の授業見学(11時50分~)

ISUZUの工場見学を終えた後、家庭科(Home economy)の授業見学をしました。
この授業は典型的な、知識伝達型(Knowledge transmitted approach)の授業でした。
ハムゼの頭の中には、知識伝達型の授業はよくないという認識があるようなので、この数日間で、知識伝達型の授業も工夫を凝らすことにより有効であることをディスカッションしてきました。しかし、ディスカッションだけでは、なぜ私たちが知識伝達の授業も重要であるか主張するかをハムゼは理解できていないようでした。そこで、今日はあえて、知識伝達の授業を見学させてもらいました。

本授業では、消費の問題についての授業で悪徳商法について、また、万が一被害にあった場合どのように契約を解消するかなどについてでした。キャッチセールス、マルチ商法、クーリング政策などについて新しい単語およびその説明を教師が一方的に生徒に教えていきます。

ところが、授業でまったく寝ている人がいないのです。みんな一生懸命ワークシートに書き込みながら真剣に授業を受けていました。その理由は、この授業の特徴でもあるワークシートの有効的かつ効果的な活用方法だったのです。

知識伝達であっても、様々な工夫によって非常に効果的な授業を展開することができます。ハムゼには、「知識伝達か学習者中心」という二項対立の考えがあるようですが、今後それぞれの学習方法といい点(Plus)、マイナス(Minus)、どう工夫するかの3点について理解を深めたいと思います。

理科ネットワークを利用した理科の授業(12時15分~)

4時間目の後半は、JSTが提供している”理科ネットワーク”というデジタル教材を利用した地層の授業を見学しました。様々な視聴覚教材を利用している授業でした。生徒たちは実際に噴火している火山をみたことがないので、実際の映像を見せながら説明を加えたり、その後すぐに実物の火山灰を見せたりなど、生徒が学習していることをよりイメージしやすい工夫がいくつもされていました。

ちょうど構成主義IDで有名なRichard Myerの論文をハムゼと輪読しており、その論文の中に、既有知識を活用してある事象を理解するのは、テキスト情報と画像情報が必要であるといったことが書いていたので、ちょうどこの授業でその理論を実践として確認することができたようです。

学習していることをよりイメージしやすい工夫をUNRWAでもしてきているのですが、単に映像や画像を見せればいいというわけではなく、明確なストラテジーの中で利用していく必要があります。来週からマルチメディア教材制作の研修を行うので、その際にその理論についてもしっかりおさえて学習したいと思います。

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