2007-10-02

学習目標の設定

ハムゼとのディスカッションでよく衝突する部分がいくつかあります。
その一つが、発達段階を考慮した授業設計ができていないということです。

たとえば、目標設定について取り上げます。田邊先生にもアドバイスもらったので、これを踏まえて、ハムゼとのちほどディスカッションしたいと思います。

一般的には、1年生から4年生までは、親や教師から言われたこと、与えられた課題をしっかりやり遂げるということが重要になります。

4年生を超えると自分たちで課題を発見したり、自分たちの学習活動を内省しそこから次の目標を決めるなどしはじめることができます。

さらに学年があがると、課題をみつけそれを自分で解決する方法を少しずつ学ぶようになります。

このように発達段階に応じた授業設計、学習目標を設定することが必要になるので、一概に「すべての授業でこうすべきだ」といったことを推進するのではなく、ある程度学習者の状況を考慮したディスカッションができるとさらに効果的だと思いました。

そもそもこの話がでてきたのは美術の先生からのコメントでした。
「なぜ子どもたちはこんなにも熱心に学習活動に取り組むのか」という質問に対し、以下のように応えていただきました。

「まずは生徒の自発性を大切にする。生徒が何をしたいのかということをしっかり”考えさせる”。自分で決めたことは責任をもってやりとげようとする。そのため、必ず何か制作する前には2時間以上時間をとってスケッチをさせる。スケッチをさせ、自分のやりたいことを表現させ、イメージが明確になれば、しっかり取り組むことができる。イメージが曖昧なままあ進めると、最後まで曖昧なまま終わってしまう。スケッチの段階で、自分ができそうだ、できなさそうだということを自分で判断することができるし、”判断する”、”挑戦する””課題をみつける”といったことを自分たちでさせるようにさせている。言いかえれば、課題を与えるのではなく、できるかできないかも含めてPlaning(計画)をしっかりさせるようにしている。このPlaningの段階では、”なんとなく”を”明確な目標設定”にする。ここで考える力も含めて身に着けることが大切である。」

先に美術の授業と主要科目の連携の重要性について報告したけれど、科目を縦割りにすることで切り落としてしまっている重要な要素もあるので、それを連携させることでより幅の広い授業が展開できるようになればいいと思いました。これはシリアだけではなく、日本にとっても課題であるため、これをきっかけに英国の事例なども参考にいろいろ私自身もハムゼと一緒に学んでいきたいと思います。

No comments: