2007-09-23

東京


ひさびさに人が多い場所にきて、ハムゼのテンションはすごく上がっています。
研修の場所はほとんど田舎が中心なので、人通りの多いヤルムークが恋しかったのでしょう。
久保田先生が昨日、今日と夕食に招待してくれ、いろんな大学の教授や研究者と交流がもて、ハムゼにとってもとても有意義な時間だったのでしょうか。
特に、先日トルコ料理の店にいったときは、非常に喜んでいました。
ハラールという肉以外は食べれないイスラム教徒のハムゼにとって、ひさびさに羊の肉など食べれたのは、感慨深かったでしょう!

ところで、今日、宿泊先の池袋で若い青年が、駐輪している自転車を倒しながら歩いていました。道徳的に許されるわけではありませんが、7,8人の青年で、関わらないほうがいいと思い、私は歩いている方向を変えたのですが、ハムゼがそれをみて、「倒した自転車を元に戻せ」とハムゼが彼らに注意したのです!

一瞬かなり焦りました。7,8人の青年は、ハムゼを囲むようにして、肩に手を回したり、絡んできました。私がアラビア語で(彼らにわからないように)関わらずにさっさと帰ろうというのに、「大丈夫だ、彼らはとてもフレンドリーだ」といって、さらに、自転車を直すように指摘し、ほんと冷や汗をかきました・・・。彼らの一人は一台だけ元に戻し、その後その一台からさらに何台もの自転車を倒しました。酔っている感じではなかったのでおそらく、問題を起こしたい青年集団だったのでしょう。ハムゼは私の言うことをきかないので、私はかなり大声で怒り、ようやくハムゼは青年の集団からなんとか逃れてきました。

シリアでは外国人をみると、「どこから来たの?」「何語を話すの?」「名前はなに?」と好奇心で集ってきます。ハムゼはそんな感覚で彼らを見ていたのでしょう。だから、絡んできたとき、単に「とてもフレンドリーな青年が自分に興味を持っている」くらいにしか思わなかったと思います。

自分が生まれ育った環境で創られた価値や習慣、視点を通して異文化を見ることはよくあることです。自分も、異文化をみるとき、自分の価値観や視点にとらわれて、本当にそこで起こっていることを正しく解釈できないこともあります。そういう時は自分の価値観や視点を批判的に見直し、反省するのですが、ハムゼはそんなことをしたことがないし、自分の考えを批判的に見るということを普段しません。改めて、異文化を理解するということはどういうことか、ということを考えさせられました。ふぅ~。何も無くてよかった・・・。

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