2007-09-24

学会3日目


今日は、私が昨日自分の発表が終わったのでハムゼが興味をもつ発表を片っ端から通訳しました。

学会初日は国際セッションがあり、一日中英語の発表があったのでよかったのだけれど、2日目は私の発表があり、ほとんど関わることができず(午前中だけの発表だったので午後はホテルに戻って休憩)、3日目になってようやく日本の教育工学研究者が何に関心、問題意識を持ち、どのようにそれに対応しているのかということ知ることができたようです。

ハムゼが特に興味をもった発表のタイトルは以下のとおりでした。
・教育の情報化に関する諸外国の先進事例調査

NIMEのH先生、大阪教育大学のK先生、和歌山大学のN先生、富山大学のY先生の研究にずいぶん興味を示し、ずいぶん質疑応答をしていました。先生方もハムゼの質問に対してしっかり対応してくださり、英語のプレゼンテーションデータを分けてくださったり、ハムゼもずいぶん刺激を受けていました。

この発表では、日本でもICT教育を政府は推進しているが、なかなか進まないため、その阻害要因を調査し、それに対する対処策をイギリスや韓国の事例から調査するというものであった。阻害要因として、①教師のICT能力、②機材の不足、③(ICTを機材として使う能力ではなく)ICTを使ってどのように授業をすればいいかが先生が分からないこと、④機材を教室に持ち運ぶのに手間が掛かること、つまり準備が大変であることなどがあった。ハムゼはその説明を聞いて、自分たちUNRWAでも同じ問題を抱えているため、非常に興味を示し、これらの問題解決のため、どういう取り組みをしているのか熱心に説明を受けていた。

キーワードになったのは、ICTを活用した事例を教員同士で共有化していくという取り組み。これについては、課題研究の発表でも少し述べられ、ずいぶん関心を示していた。教員同士の情報共有や相互作用について今だいぶ理解をしてきているようなので、今後UNRWAで実施しているTeacher's Learning Community の取り組みにも役立つかもしれない。

午後は、課題研究に参加した。発表は内容は以下のとおりでした。
① 中等教育における授業と連動したe-Learningの実践と検証
② 小学校の教科指導における効果的なICT活用場面の分類
③ 電子黒板の普及モデルの構築に向けた活用状況の調査
④ ICT活用授業による学力向上に関する相互的分析評価

13時半から16時までの2時間半ぶっつづけで通訳したのでだいぶ疲れましたがハムゼがこの課題研究で得たことは非常に多かったようです。UNRWAでも同じような問題をかかえていて、それがどのように問題解決されているのかは非常に参考になったのではないでしょうか。

今日の学会発表を踏まえ、今後しっかりディスカッションしておきたい点は次のとおり1)デザイン研究(デザイン→実践→学習モデル(デザイン原則)→再デザイン・・)2)ICTを利用する場面について(どういう場面(導入、展開、まとめ)で利用するのか?何を目的として?3)教員同士でどのように事例を共有するのか(Class→Outcome→Library of case study→Class design/Apply to class)4)ICTの効果についてどの調査するのか →ICTの効果については、生徒の状況、個人の学習スタイル、社会的・文化的文脈、教師の指導方法、信念などに影響される。つまり、単にICTを使えば、学力が向上したり、意欲があがるというわけではない。様々な要因が関連しあっているので、これら様々な要因をどのようにデザインするかを考えていくことが必要である。

非常に有意義な3日間だったと思います。明日は大阪に帰り、大阪がプロモーション事業に参加し、その後は、また東京に戻って、慶應での研修に入ります。明日一日だけは、ハムゼにとっては2週間ぶりの休憩になりそうです(苦笑)

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