2007-08-27

8月27日 研修内容の調整



8月26日にシリアで活動していた岸、今野が帰国し、翌日ハムゼに会いました。
慣れない日本できっと苦労しているだろうという家族の心配とは異なり、すっかり日本にもなじんでいるようでした。特に、先日うけた日本語の研修がよほど興味深かったのか、日本語を積極的に使おうとする姿が印象的でした。

とても、内発的動機の高い人なので吸収力も早いです。そのため、研修の内容もより高度なものを準備していくことを再確認しました。

今日は、これまでの研修で学んだことをふりかえってもらい、少しディスカッションしました。
その上で彼が必要としていることを導入できるように、再度スケジュールと研修内容を組みなおしました。

ICTの技術を身につけたいと希望していましたが、技術というものはシリアでも自分ひとりでもなんとかなりますが、その技術をどう活かすかは、多様な視点、異なる文化や習慣の視点から観察し比較していくことが有効であるため、なるべく理論に基づいた活動を進めることにしました。

まず、この研修自体は、学習者中心型アプローチをとるので、何か学びたいことがある場合、学習環境を準備するが、基本的には自分で「調べて、まとめて、学習する」スタイルをとります。その際、院生ボランティアがファシリテートし、学習を進めていきます。

学習者中心型アプローチという理論は非常に幅広いので、今回は「協働学習のためのICT活用」にテーマを絞ることにしました。そのために研修で扱う内容は次の3つのディメンションです。
1)協働学習のための学習環境デザイン:教材(制作を含む)FLASH,WEB制作、ビデオ制作など
2)教授学習法(理論):ディスカッションを中心に行う。(思考、マルチプルインテリジェンス、ガニエ、ブルーム、動機づけ、アークスモデル、協調学習、交流学習、問題解決型学習など)
3)学校訪問とディスカッション

1と2に関しては、関西大学の大学院生が中心となって実践事例を分析したり、論文検討会、日本の総合的な学習で利用されている様々なツールを紹介します。3に関しては、学校訪問を基盤とし、教授学習法の工夫、学習環境デザインの工夫を中心に参与観察します。

また、シリアの学校の問題点をクリティカルに分析し、今後どの点について改善していくべきかを日本の学校と比較しながら見つけてもらう予定です。

研修の内容を具体的に示したことと、自分がこの研修で何をめざすべきかがみえたようで、ずいぶんすっきりした顔をしていました。ハムゼ氏は関西大学の大学院棟で研修を行っていますが、院生ともいい人間関係がきずけているようです。現在、FLASHの学習をしていますが、分からないことがあればみんなが支援しながらなんとかがんばって自律的な学習を進めているようです。

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